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契約的束縛・過ぎ来し方(すぎこしかた)のメモリー
第3章 メモリー仁科

「観光で来ているアジアン系か帰宅途中の会社員くらいには見えるとは思いますが……」

試しがてらに始めたこの姿、何日かに一度こうして歩き慣れては来ましたがまだ私という確立は低めで、練習がてらclubの帰りにこの姿で歩くようにはしている。
裏路地から表通りまで出て私は夜の九龍を楽しむ、九龍城と呼ばれるほど広く入り組んだこの街、この国らしい原色の看板、歩けど切れることなく続く屋台街、欧州がメインな私にとればどれも新鮮な光景で飽きることがない。

「そこの兄ちゃん一杯食べていけよ」
「新作入荷したよー、ほら今がお買い得!」
「こっちこっち! 絶対に損はさせないからさぁ」
「…………」
露店や商店から聞こえる呼び込みの声それに反応する客、こういうのは見ていて安心する。私もなにか購入して帰らなければ……イェンフゥイとの話で夕食を食べそびれていた。

(どれがいいですかね?)

この国の食事事情は始めてに近く逆に目移りしてしまうというもの、私があまり食にこだわりがないのも原因ですが。子供時代から出される食べ物に疑問はなく、好き嫌いもあまりないので考えたことが少ない。
だがこの手の悩みは苦しみではなく楽しみ、過去に手料理なぞやってみて同じく悩んだのはいい思い出の一つ。

「この野菜と肉の炒め物と、後はそうですね……米を使ったものは?」
「仕事帰りか? そうだな炒飯かルーシュイなんかどうだ」
「ルーシュイですか」

確かルーシュイは漬け込んだ肉類の丼物のはず、香港ではよく見る料理……だったはず。

「ではルーシュイにそのスープも」
「おぅ、待ってな」

屋台だけありスピーディーな調理と温め置きしてあるスープ類、それらを簡単に梱包し私の手に渡って来る。その周りでは夕食を楽しむ人々がテーブルに付いており、わいわいと夜のひと時を過ごす、これがこの国の在り方。昔ながらで私に馴染むような感覚につい私の頬も緩みがち……こういうほうがいい。
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