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契約的束縛・過ぎ来し方(すぎこしかた)のメモリー
第3章 メモリー仁科


散々悩み遅くなってしまった報告書を上げてから私はようやくclubの外に出た。
その時ふとガラスに写る私を見て違和感を覚える、これはなんでしょう?

(金髪に青い瞳……)

香港という土地柄のせいか西洋人の調教師は少ない、ほとんどが黒髪黒瞳のアジアン系が占める。

(あの姿をやってみましょうか?)

仁科悠人、私のもう一つの姿。地下clubはコンラート・ゼクスとして登録してしまい仁科は出来ないが、一歩外に出れば私だとは気づける者など居ない、それだけ完全に変わってしまう。
Club周辺では都合が悪いため人が居なさそうな裏路地で私は姿を変える、金髪青瞳から茶髪黒瞳へと……。

「……どうしてこの髪だと全部下りてしまうんですかね?」

金髪のほうは多少クセがあるのに茶髪だとほぼストレートになってしまい、見た目的にもう少し上げたい私としては一苦労。最近隠し持っている携帯用の整髪料でなんとか一部上げるのがクセになってしまった。
全て上げることは出来ない、それをしてしまうとアジアン系に見えなくなってしまうため。ハーフで通そうかとも思ったが、日本は閉鎖的と聞いたのとなにより仁科悠人の経歴が純粋な日本人である限りハーフという言い訳は通用しない。
何度か試して黒髪より茶髪そこに軽くクセを付けるスタイルが私に一番合うとこれに決めた。更にCross selsの黒服を崩し最後にピアスを外して一般人を装う。
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