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契約的束縛・過ぎ来し方(すぎこしかた)のメモリー
第3章 メモリー仁科

「そこまで私が一人で行動するのが嫌ですか?」
「他の階級持ちも皆不思議がっております」
「賢人が付けた階級持ちなどに興味はありません、好きに噂していればいい」

多分にルーク以外の賢人共に言い含められているのだろう、私に取って日本支部は居心地が悪いもの、漸く捨てたというのにまた古い慣習には捕らわれたくはないのが私の意志。向こうの思惑なくそくらえ、私は私のやりたいようにやるのみ。


(今のままでは私はなにも変われない、この自由の果ての突破口はどこにあるのでしょう)

相も変わらずルークの静止を振り切り私がやって来たのは夕暮れ迫る河川敷、急こう配の土手と未舗装の道そして完璧に整備された川、こんなのも日本ならではの光景。なにを見るわけでもないが私はここがお気に入り、こうしてのどかな雰囲気を感じるだけで心安らぐそう思います。
日本に来てから早数ヶ月というのに私は街歩き程度しかしていない、一番の理由は東条率いる地下clubに潜り込めないため、私が嫌ったせいとも言いますが。
では香港のように素知らぬ顔で入り込むべきだったのか? そう考えても答えはNO、私は間違いなく東条とは合わないそう思う。
そんな中で唯一行ったというか試したのは仁科悠人の経歴を使い運転免許証を習得したこと。住民票も自動車学校も疑われる事はなく、そして住民票を支部が持つマンションへと変更、これで本当に仁科悠人という人物の足は付かない事になる。
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