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契約的束縛・過ぎ来し方(すぎこしかた)のメモリー
第4章 メモリー本郷

この状態が五分ほど過ぎた頃、少し離れて女を見ていた堈先生が動いた。

「いい具合に解れた顔だ、そろそろいいだろう」
「早く……早く……私をもっと縛ってください先生」
「そうだな……まずはこう」
「…………あっ!」

考える素振りをしたが、先生は女の浴衣の合わせを掴み一気に割り開く。

「形よい乳房、これを利用しない手はない」
「あ、あぁ……」

軽く触れたのか? 先生の胸を触る手に女は躰をピクンと揺らし反応したのに、性行為みたく胸を責めるわけではなく手に持つのは新たな縄。
両胸を挟むように縛った後、真ん中に縄を通して胸は更に強調されると共に背中で先ほど縛ってある腕の縄と一括りになる。そして縄の痛みか女はまた苦悶の表示を浮かべたが、ほかのなにかを期待している感じも受けてしまう。

「……どうした杏奈」
「先生……」
「はっきりと言ってみろ」
「まだ足りない」
「痛みと快楽が欲しいのか?」
「快楽…………。快楽も欲しいです」
「そうか。おい、縄と張り型の準備を」
「分かりました先生」
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