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遠き隣人
第5章 心理戦
逃げられ…た?
いや、教師たるもの生徒を疑ったらいけない。うん、そうよ。
詩織さんは具合が悪そうだったもんね。
あとで家に電話しておこう。
ふぅ…息をついたのは優子だった。
《先生のおかげだわ。ありがとう江梨先生》
哀れ…詩織ちゃん。ご愁傷様です。いってらっしゃい。
いつのまにか、優子のそばには普通と変わらない風景が広がっていた。
先ほどまで、皆んなから避けられていた優子だが、いつもの日常に戻る。
いったい…この学校はどうなっているの?
いや、このクラスといった方がいいかも。
特殊なクラスだわ。
江梨は教室から隠れるようにソッと廊下に立ち、窓から教室を見まわしていた。
この空気もほんの束の間なのよね。
また、明日の朝になれば張り詰めた空気が戻ってくる。いったい…
彼女たちの間で何が起こっているのかしら。
何かが起こっているのは間違いない。
同僚で先輩教師の恭子にも話しを聞いてみたが、事情は知らないようだった。
知らないふりかもしれないけど。
赴任してきたばかりのわたしには、漏らさないようにしているのかもしれない。
ただ、この学校の背後に何か巨大な組織があるような気がしてならない。
…そんな予感。しかし、疑惑の領域からは脱していない。
ただのわたしの憶測にしかならない。
理事長の鈴木(パパ)とはわたしがJKの頃からの知り合いだが、パパは何も教えてくれない。
校長のあの様子からみても、わたしにこれ以上深入りするな。と言われているような気がする。
わたしの身に危険が及ぶのかもしれない。
ようやく教師になれて、晴れて赴任してきた学校が今では疑念しかない。
おかしい。いくら何でもおかしすぎる。
他のクラスとは明らかに様子が違う。
皆んな優等生にしか見えないのに。
偏差値も高く国立大を目指せるくらいの頭脳の持ち主がこの学校には多数いる。
それは過去の成績などを分析しても明らかだ。
江梨は教室からソッと離れて職員室に向かった。
…どう?先生は行った?
うん。怪しんでるよ。相当ね。
噂じゃあ、あの先生理事長と繋がっているらしいから、わたしたちを観察して報告しているのかもしれないわよ。
これからは、少し行動にも細心の注意が必要かも。
上に知れたら、わたしたちどうなるの?ねえ、優子?
あたしに聞かないでよー!わたしたち、近くにして遠き隣人なんだから。
互いを探り合いしながら授業なんて…
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