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彼女に抱かれたい
第15章 後戯と夢
『俺の夢はね、海上保安官になること。それも、人を助ける海上保安官。』
「えっ、そうなの?」
『うん。3年になったら10月には試験があるから、それを受ける。
合格したら1年間は研修とでも言うのかな…海上保安庁の学校に入って勉強するみたい。』

「そ、そうなんだ…。海猿…だよね。」
『あれは映画とかドラマの話だから、絶対あんなに綺麗で輝かしいだけじゃなくて、苦しい事が多いと思う。
だけどね、水泳やってて思ったんだ。どうせ泳げるようになったなら、これを活かしたいって。』
「1年…か。その学校ってどこにあるの?」
『京都。全寮制みたいだから、その間はほとんど会えない。』
「そう…だよね。京都…遠いね。」
『しかも1年経ったら海猿ってわけじゃない。
1年経って卒業できたら、巡視船の乗組員になる。しかも海上保安官は転勤族。
海猿に出てる人たちは、そこからさらに厳しい選抜試験と人を助けるための訓練、それから国家試験も受けて合格しないとなれない存在なんだって。
潜水士、機動救難士、それから特殊救難隊っていうのがあるみたい。』
「なんか…すごい険しい道のりだね。」

『うん。でも、それが俺の夢。』
「すごい…カッコいいじゃん…。」











「まだ、そうなりたいなっていう夢だけどね。叶うかどうかは俺次第。
だから…」

…笑われないだろうか。
いや、言いたい。伝えたい。
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