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彼女に抱かれたい
第16章 崩壊
『だから…だからさ。
俺が海上保安庁の学校を卒業して、一人の海上保安官になれたら…


俺と…






俺と結婚して欲しい。』


「ふっ…ううっ…。」

とめどなく溢れる涙。
いつから溢れて流れていたのかも分からない。
どうやったって涙をこらえきれない。
私の顔は涙でぐちゃぐちゃだ。

そんなに甘い言葉で私の心を締めつけないで。
あなたはまだ高校生。気の迷いかもしれない。

「ううっ…期待…させないでよ…。
私…その頃にはもう30歳になっちゃうよ?
海猿とか絶対モテるじゃん…。言い寄ってくる女だっているでしょ…。」
『そんなの…他の女なんて知らない。
俺はマイがこうやって繋ぎ止めてくれたら、それが一番いい。
マイが隣にいてくれたら、それでいい。隣にいて欲しい。
俺、最初に言ったじゃん、愛に歳は関係ないって。
クサいセリフだったけどさ、あれ、本気なんだよ。今もそう思ってる。』

「うっ…ふううっ…。」

言葉がうまく出せない。素直になれない。
未来の事なんて分からないんだから。
心は変わるもの。口約束。
だけど…心の奥底では期待せずにいられない。

『18になってすぐなんて無責任なことは言えない、3年近く先の話。
それまではまだ独り立ちできたとは言えないから。
でも、もしマイがそれまで待ってくれるなら…俺のお嫁さんになって欲しい。
見たいんだ。マイのウエディングドレス姿。
そしてその隣に立つ男は、マイのお義父さんと俺以外認めない。』

「うっ…うっ…」

彼の優しい目の奥に宿る力強さ。
それは私の心をギュッとしめつけるほど真っ直ぐにとらえ、一点の曇りもない。
高校生とは思えない程に甘い囁きとしっかりした将来のビジョン。
ダメ…。そんな保証はどこにもない。

心ではそう思いながらも私は無意識に全力で彼にしがみつき、力一杯抱きしめた。
溢れる涙で声がうまく出せない。

本当に期待してもいいの?待ってていいの?信じていいの?
私、めんどくさい女だよ?独占欲ハンパじゃないよ?
それでもあなたは私をお嫁さんにしてくれるの?

「待って…っても…っいい…っの?」
泣きじゃくる私に彼は優しくキスを落とした。
涙の筋を優しく掬い取り、涙の跡にもキスを落とす。
なんて甘いキス…心まで…溶かされる。

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