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朱になる
第1章 運命の出会い

「あかねちゃん。ありがとうございます、って言って」
あますことなく快感をむさぶろうとしていた朱音が 慎二の意図することを探ろうと 目を開けて じっと見る。
「初めて会ったレストランで あかねちゃんが ありがとうございます、って言った その声に 欲情したんだ。バスの中でも 背中が ぞくぞくした。すんごくセクシーな声だったんだ。もう一度 言って」
朱音の中で 熱いものが弾けた。慎二の視線に 身体が溶けそうだったあの出逢いの瞬間。慎二も 似たようなことを感じていたのだ。
「ありがとうございます・・・」
慎二が 激しく突き上げる。
「もう いっかい」
「ありがとうござ・・・い・・・ます・・・」
朱音の右足を 肩にかつぎあげ 深く突く。
「ちゃんと 言って」
「ありが・・・あぁぁ・・・」
「だめだよ。言いながら いかないと」
「あぁぁ・・・ありが・・・ありが・・・あぁぁぁぁ」
激しく果てたあとの互いの目の中に 何があるかを 確かめようとする。未だ歓びの残り火があるのを 慎二は嬉しい気持ちでみた。
「ごめんね。夢中になって ちゃんとしてあげなかった」
自分のものが垂れ出てくるのを ティッシュでぬぐいながら 慎二は謝った。
「ううん。安全日だから 大丈夫」
「よかった。でも 次からは ちゃんとするから」
「つぎ?」
聞き返されて 慎二は思わず 半身を起こした。
「つぎ、はないの?」
呼吸は整ってきたものの 頭を上げるほどの力もない朱音は ちゃんと考えることができない。
「つぎ?」
ぼんやり同じ言葉を繰り返す朱音が 無性に愛おしく思える。朱音の ぽったりとした身体に脚をからませ 抱きしめた。
「次の 次の 次も。はなさない」

