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ノーサイドなんて知らない
第6章 引退、結婚とパパラッチさん問題
出会った後、私が観戦させていただいた試合は全て勝利して、
その後、プレーオフのような優勝決定戦のような試合が残っていた。
だから、ゴールデンウィークもずっと練習に出ていて、
熊野さんは忙しそうだった。


5月5日の熊野さんのお誕生日も、
手作りのケーキを家で食べたくらいで、
そんなにゆっくりは出来なかった。


結婚式の招待状などは、殆ど私が準備したり、
集計したりしていた。

お仲人は、熊野さんの大学の指導教授にお願いすることにして、2人でご挨拶にも行った。

私たちの父親と同じ大学ということもあって、
喜んで引き受けてくださった。

たまたま、私が論文の翻訳をしたことがあるそうで、
学会で同時通訳もしたことがあると言われたけど、
お顔は勿論覚えていなかった。
でも、お名前と声といつも身につけている蝶ネクタイのことは覚えていて、
その話をすると、
楽しそうに笑ってくださった。

私の父から相貌失認のことも聞いていたようで、
恐縮する私にも温かい声を掛けてくださった。


私と熊野さんの父親や祖父関係の主に大学関係者、
熊野さんのチーム関係者が殆どで、
私の友人知人は殆ど呼ぶ相手が居なかった。


だから、熊野さんのチームメイトの方には、
なるべく奥様同伴、彼女同伴でご出席いただいて、
華やかな感じにしようねと、熊野さんは言ってくれた。


優勝決定戦は、関係者席に座らせていただいたけど、
顔も判らないし、
ルールも相変わらず判らない私は、
端っこの席にひっそりと座って観戦した。



試合が終わった。
勝利して優勝が決まったようだった。

きっと、熊野さんたちはこの後、
お忙しくなるだろうと思って、
そっと会場を後にした。


人波に合わせてゆっくり駅まで歩き始めると、
「森田さん!!」と声を掛けられたので、
ゆっくり振り返ったけど、
誰が声を掛けたのか判らなくて、
しかも駅に向かう波に逆らうように立ち止まってしまったので、
押されて転びそうになってしまった。

見知らぬ人が慌てて私を支えてくれた。


「あの…、ありがとうございます」と言って顔を見たけど、
勿論誰かは判らなくて、
曖昧な微笑みを浮かべてしまう。

「急に呼び止めてスミマセン」と言う声を聴いて、

「ああ、以前、駐車場でお会いした、記者の竹村さんですね?」と言うと、
少し驚いた顔をした。


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