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咎女(とがめ)
第10章 紫子
―――…

「ゆ、優人があんな目で私を見るなんて…みんなあの女のせいなんだわ!」

紫子は高速道路を走る車の後部座席で、優人の母親の肩を抱き宥めていた。

「お義母さま、大丈夫です。今日のチケットも、この間失礼したお詫びにって優人さんが我が家まで届けてくださったんですもの」

「そう、そうよね紫子さん…ありがとう」


紫子にとって、病院の跡取りであり自身も優秀な医大生である優人は、夫として魅力的な人物である。
しかも頭が良いだけでなくスポーツマンで爽やかな優人は単純に男性として好ましかった。


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