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咎女(とがめ)
第2章 現在
三人が出ていった後、幸恵は気だるげに立ち上がると衣服をかき集め、裸のまま事務室を出る。
ペタペタと廊下を歩き、入所者用のシャワー室に向かう。

ふいに部屋のドアが開き、皺だらけの老人が出てくる。
幸恵の姿を見て、
「また奴らかい?」
と憐れみの眼差しを向けた。

同情などいらない。
幸恵は意図的に、自分の女としての価値を堕としているのだから。

「生田さんは、今夜はよろしいのですか?」

「あ、ああ…そうだな、目が覚めてしまったし、お願いしようか」


何のことはない、心配そうな顔をしたって、男なんてみんな同じ穴のムジナだ。
処女を失ってから、性的な目で見られなかったためしがない。


「では、シャワーを浴びてから伺います」

「…いや、このまま一緒に風呂に入ろう」

生田老人は、いやらしいオスの顔で幸恵の肩を抱いた。


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