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第12章 幸恵

そんな優人を一人に出来ず一緒に温井病院へ行くことにした幸恵は、彼の運転する車の助手席で、身近で次々起こる不幸を思い返していた。

老人施設の火事、ボランティアサークルの不祥事、優人の婚約者と幸恵との交際に反対していた優人の母親は車の事故で死亡し、幸恵にプロポーズした医院長が倒れた。

そして、幸恵の人生を狂わせた男は血で汚れた財布を残し、どこへ行ったのか…？


幸恵は隣でハンドルを握る優人の顔をじっと見つめた。