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午前十時を過ぎたなら(恵の選択)~義父との秘密が始まる
第2章 いらだち
そう、恵の一番嫌いなタイプである。

ガサツで品が無く、デリカシーの欠片も無い。

恵に対しても普段はこうして無愛想であるのに、酔って機嫌が良くなると飲み屋のホステスにでも相手をしているような見え透いたお世辞を言う。


そんな事で嫁の機嫌を取っているつもりなのであろうが、恵にとっては全くの逆効果でしかなかった。

タバコも夫は吸わないのに始終離さず、スパスパと煙を撒き散らしている。

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