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午前十時を過ぎたなら(恵の選択)~義父との秘密が始まる
第59章 メス犬と少女
「ごめんなさい、あなた・・・」
新聞を読んでいる啓介の耳に、今日で五回目になる恵のセリフが聞こえてきた。
慌しく上着を羽織ながら妻から財布と定期入れを受け取ると、何か企むような表情で武が言った。
「もう、いいよ・・・。しょうがないさ。お前も俺もグッスリ寝ちゃってたんだから。その代わり・・・」
耳元に顔を寄せて囁く夫に、か細い手でその背中を叩くと、赤く染めた顔から白い歯をこぼしながら恵が言った。