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レスさんとシンママちゃん【完結】
第10章 レスさんのカラダ


「じゃあ、続けるよ?」



ボクが再びアキさんの両手首を掴んだとき、


向こうの方の岬のカーブから車のヘッドライトの灯りが見えました



車が通るのは珍しい



静かに走ってくるので峠族では無さそうです



万が一そんな連中に関わってしまうと危ないので、少し身構えます



なんてったって、助手席には半裸の女性が寝そべっていますから、洒落になりません



ボクは念のため、あいてる方の手で脱ぎ散らかしたシャツを手に取りました



こちらの岬に車が近付いてきました



光りがこちらに届きます



助手席側から近付いてきているので、おそらくアキさんは気が付いていないでしょう




こっちに停まるかな、と警戒しました




この海岸線の道は岬に沿っていくつもの展望駐車スペースがありますから、わざわざ他の車が停まっているところにやって来ないとは思いますが、念の為です



だからいつもは、あの唯一トイレがある場所には停めないのです



トイレがあれば、さすがに遭遇してしまいそうですから




結局、車はそのまま通り過ぎてしまいました





ふぅ、と安堵します




アキさんは目を閉じていて、焦らされていると思っていたかもしれません





また別の車が近付いてきて、アキさんの気が散ったらイヤだなぁ、と思い



ボクは掴んでいたシャツをアキさんの目の辺りにふわっとかけました



そして、Tシャツのほうも手にとって両手首を軽く縛ります




「え……」



という声がします



「上を抑えていたら、下に届かないもの」



と言い訳しました




「色んなこと思いつくのね」



と呆れられました



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