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ムッツリ最高〜隆の想い〜
第5章 この先へ
僕は、彼女の手をとって、指を絡めて繋いだ。まるで、本当の恋人同士のように。そして、彼女の瞳を見つめる。
あんなに、いろんな妄想のやり取りをして、さっきあんなこともしてて・・・僕たちまだ、名乗り合ってないよ?
僕が言うと、彼女も微笑んで言う。
そうなんです・・・。さっきから、なんでお呼びすればいいかと。
その時、エレベーターが目の前につき、ドアが開く。
僕たちしか乗り込まず、僕は最上階のボタンを押しながら、彼女に言う。
僕は、幸田隆。
彼女は僕を見上げながら、名前を告げてくれる。
私は、下原、鈴音、です。
鈴音・・・素敵な名前だ・・・。
僕は左手で彼女の頬に触れる。彼女がその掌の感触を味わうように瞳を閉じた。
その時、エレベーターが最上階に着く。
鈴音・・・その名前を僕は心の中で反芻する様に呼んでいる。その名を呼びながら、ずっと彼女と過ごしたい。
会うまで、会いたいから焦がれていると思っていたのに、今は、これからの彼女と一緒に過ごす時間が欲しくて、身体中が焼けるように焦がれている。