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木の実を集めて君にあげる
第12章 一緒に歩き続ける
「どれ、駐車場まで見送りますよ」と言われて、
3人で立ち上がる。

そして、庭先にある桜をひと枝切ると新聞紙に包んで渡してくださった。


「まだ五分咲き前か。
少しずつ満開になり散っていきますが、
季節になるとまた、変わらず花が咲き、
散って、実もつけます。
桜を観に、
またお2人でいらしてください。
いや、3人でかもしれませんな」
と優しい顔で笑われた。



帰宅して、
瑞樹ちゃんがリビングのテーブルに桜を生けてくれるのをぼんやりみながら、
「部屋の中でお花見出来るね?」と笑った。


そして、瑞樹ちゃんが待たされた袋から小さな箱を出して開けると、
美しいダイヤモンドの指輪が入っていた。


「嵌めてあげたら?
亮平さんからの最後のプレゼントでしょ?」と言うと、
少し躊躇いながらも右手の薬指に嵌めたままだった宇田川亮平からの華奢な指輪に重ねていた。


「瑞樹ちゃんの小さな手にぴったりだね?」と言いながら手を握り締めると、

「良いの?
気にならないの?」と瑞樹ちゃんが小さい声で言った。


「亮平さんに、
瑞樹ちゃん、貰うよって言った時にね、
絶対守るからって約束したんだ。
亮平さんのこと、大好きだっていう瑞稀ちゃんを、
丸ごと貰うからって…」
と口にすると、
色々なことが涙と一緒に溢れ出してしまいそうになる。


「勿論、その言葉が届いてたかどうかは、
判らなかったけどさ」


「悠介さん、ありがとう。
私…本当に幸せよ?」と言って、
首に腕を回して抱き締めてキスしてくれた。


情けないことに、キスしてるだけで、
僕のはカチカチになってしまう。

本当に、瑞樹ちゃんは麻薬だ。
こんなに、優しくて哀しいことを噛み締めているのに、
心と別物で、参ってしまうけど、
気になってたことを訊いてみた。


「したいけど…瑞樹ちゃん、あのさ。
生理、来てる?」


「あ…。
ずっと不規則みたいで…。
でも、今月はまだ、来てないの」


「ひょっとして…?」


「どうかしら?」


「あのさ。
心配だから、明日、病院に行ってみない?
じゃあ、今晩は、
ちょっと我慢かな?」と言って、
そっと髪と背中を撫でてからギュッと抱き締めた。
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