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甘い蜜は今日もどこかで
第9章 【離れない永遠に】






うちのパパ、見た目は亭主関白そうな頑固親父に見えるけど号泣しながら「娘をお願いします」ってママに涙を拭いて貰いながら宥められていた。
延々と私の小さかった頃の話や写真見せたりしてちょっと娘溺愛し過ぎなところがあるからあまり会わせたくなかったんだけど、そんなパパをハイハイと手懐けているママの姿を久しぶりに見て、良い夫婦だな、理想そのものかも…なんて思ったのは内緒。




後は年の離れたクソ生意気な弟にも会わせた。
絶賛反抗期中らしいけど「姉貴貰うなんて度胸ありますね?」とか言ってくるから「私より偏差値高い学校行ってからデカい口叩いてよね」って言い返す私こそぶり返した反抗期かも知れない。
弟とはこんな感じなの、いつも。
でも、私の知らないところでジロウに「我儘な姉だけど一応自慢の姉なんで宜しくっす」とか言ってたみたいでコレにはちょっとヤラれたわね。
こっそり泣いちゃったわ。




ジロウの家族にも改めてご挨拶。
お父様は離婚していて離れて暮らしてるみたいだけど、時々連絡していたみたいで私と会ってくださった。
結婚式とかには出れないけど、おめでとうと言われた。
笑った目元がジロウに似ていて父親似なんだなって思った。




お母様やお姉さんも祝福してくれて、今手元には私とジロウがサインした婚姻届もある。
両家一人ずつの保証人のサインも入ってる。




そして今夜。




「遅くなってごめんね〜お疲れ〜」




いつものように色んなところに飛び回っていて大忙しな吉原さんを捕まえるのは至難の業だったが何とか時間を作ってくれた。
私たち2人を見るや否や
「もう腹決まった顔してるね」と言われる。




お付き合いしてること、結婚したい旨をそれぞれの言葉で伝える。
今後の仕事もきちんと会社の方針に従います、と。




「あ、ちょっと待ってて」と急に立ち上がり社長室を出て行ってしまう。
ジロウと顔を見合わせて、何だろうね?と思ったが3分ほどしていきなりスタッフや事務所に居たキャストも全員ゾロゾロと社長室に入ってきたから固まってしまった。








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