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おっかない未亡人
第4章 呑まれる性欲
どうしようもなく体が求めていた
一度寝たことを体が覚えていてさらに求めている

郷田がトイレから戻ってくると
幸子はナプキンを関本のスーツのポケットに素早く入れてトイレに立った

「モテ期到来かな。」

関本がぼそっと呟く

「あいつ寂しいやつなんスよ。男運がない。ガキの頃か知ってっけどマジでない。」

郷田が色々暴露していたらしく
トイレから戻ってきたら
関本が爆笑していた

「もぉー何見てるんですか。」

「いや、とりあえず野球ゲームは強いってことは分かったよ。」

「そんな昔のこと。」



そろそろお開きでみんな二次会やらにパラパラと捌けてゆく


自然と関本と二人で同じ方向に並んで歩いていた

「こんなメッセージポケットに入ってたらカミさんに殺されちゃうなぁ。」

関本がナプキンを見ている

「捨てればいいですよ。」

~~♪
幸子は鼻唄を歌う
一緒に歩くだけで上機嫌だった

「夜風が気持ちい。」

「だな~♪」

関本も合わせて歌う
このまま夜風に溶けてしまいたい

「キス、、したいです。」

思ったことが全部口からこぼれる

関本が立ち止まって幸子の肘を掴んで周りを確認する

「うーん、ここじゃちょっとだな。」

まばらだが人が歩いていた
イチャつきながら歩くカップルもいた

「なんか、照れるな。」

嬉しい
私と居て少しでも暖かくなってほしい

今日も何もされないのかもしれない
それでも良かった
二人で歩くだけで十分だった

あれ?
ふと頬を涙が伝う
何であたし泣いてるんだろう

夫ともこんな季節に並んで歩いたことがあった
優しい人だった

「三原さん?」

関本の手が頬に触れる

「ごめんなさい、あたし、、。」

暖かい手だった

そのまま片手で抱き締められる
 
何もかも良いことばかり思い出して嗚咽が止まらなかった


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