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マッスルとマシュマロ
第21章 繋がり
そこには、なぜか、林田宏樹の名前があり、遠くから隠し撮りしたような宏樹の写真があった。
その報告書には、20歳から30歳までの宏樹の経歴と、写真が入っていた。
成人式、大学の卒業式、女性と一緒に写っているものもあった。今のジムに出入りしているところも。
自分があの人とそんなふうになったから?
でも、その報告の日付は、華がまだ宏樹と出会う前だ。
華は、メールボックスを閉じ、夫の個人ホルダを開く。そこに、HHというタイトルがあり、それを開いた。
それは、日付でネーミングされ、整理されていて、20年前から始まっていた。
一番古いフォルダを開き、そこにある興信所の報告書を読む。
林田宏樹の母親の名前と、その写真。
その写真には、まだ幼い顔の宏樹が写っていて、あまりに華の息子と似ていることに驚いていた。
報告書の下には、遺伝子鑑定書があり、そこにははっきりと、親子鑑定で、夫と宏樹が親子だと書いてある・・・。
華は呆然としていた。
林田先生が、夫の、息子・・・。
華の中で、宏樹の顔が、夫の顔や息子の顔と重なっていき、その面影の共通点を考えてしまう。
そして、華は、その男に今日、抱かれたということに、なぜか安心していた。