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呪われた王宮~宿命を負う聖少女の物語
第108章 雷(いかづち)(アズート)
祭壇に横たわっていたルナの瞳が薄っすらと開いた。
薄闇に金色の光がともる。

過去の記憶から戻されたルナは、薄れゆく意識の中で全てを悟った。
不条理な過去の事実と共に、母と自分に課せられた運命の糸を。

「そ、そんな・・ひどい・・・」
全ては悪魔の企みだったのである。

優しかった母の顔が浮かぶ。
ルナの心に「あの時」の淫靡な光景が蘇る。

アズート司教に犯される母。
愛するディオンと交わり、笑みを零していた母。

そして、自分の痴態。
心の底から喜びの声を上げながら、アズート司教に犯され続けていたのだ。

埃まみれの祭壇に立ちアズート司教の血の染みの跡を見ている内に、あの時の息遣いがリアルに蘇るルナであった。

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