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呪われた王宮~宿命を負う聖少女の物語
第89章 変化(アズート)
「祈りなさい・・・」
司教の顔を見る度に、ズキンとした切ない感覚が沸き上がる。

それが悪夢の正体だとは、無垢な少女は想像もつかない。
只、熱心にひざまずき、祈りをささげるのであった。

「ルナも、これをお飲み・・・」
懺悔の間に入る前、母からパンの小片と共に小ぶりのグラスワインを手渡される。

「過ぎ越しの日」が近づき、ルナも大人と同様にワインを飲むようになった。
カアッとした熱さが喉元を通り過ぎると、全身が火照るような気がした。

懺悔は国王と王妃、ルナの三人だけで行われる。
アズート司教の前に三人はひざまずき、一心に祈るのだった。
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