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呪われた王宮~宿命を負う聖少女の物語
第89章 変化(アズート)
今日は国王の病状が悪く、母である王妃と二人だけの懺悔の儀式だった。
父の健康を願い、少女は一心に祈っていた。

(フフフ・・・)
その姿を見ながら、司教は笑いをかみ殺している。

もうすぐ15歳になる少女は最近、急に大人びてきていた。
自分が施した薬と妖術が効いている証だった。

ワインには興奮剤と催淫作用のある薬が仕込んであった。
夜、眠った後でアズートが送る妖術の念波が効果を発揮するために。

アズートは夜ごと、水晶に皺がれた両手をかざし念じていた。
かつて、ルナの母であるマチルダ王妃に使った妖術と同じだった。

「ルナよぉ・・・ルナ・・・・」
水晶を通して、少女の夢が操られていく。
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