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愛妻を抱かせる
第8章 梓
登り詰めるペニスのビクンビクンとした鼓動は

女の子宮に伝わり、火に油を注ぐがごとく

エクスタシーの波に打ちつけた。

二人はしばらく繋がったまま抱きしめ合っていた。

嵐が去った後のような穏やかな時がゆっくりと流れた。

チュッチュッと小鳥がついばむような、

優しいキスをしながら、男は女の髪を撫でた。

男は未だ冷めやらぬといった面持ちで、

熱く優しい眼差しで女を包む。

上がった息が少しずつ収まってきたが、滴る汗が

女の頬にこぼれた。女はそれを拭いもせず、

唇が欲しいと男を抱き寄せた。

「アズサさん、ありがとう。

本当意味で男になれた気がするよ。」

「よかった…私もありがとうね。すごく気持ちよかった…

こんなに気持ちいいの初めてよ。」

夫が聞いていることは当然意識しての言葉だった。

その方が喜ぶと知っているからだ。

「汗流してあげるね」

アズサはカズオの手を引いて風呂場に入っていった。

ベッドのシーツは乱れ、二人の愛のほとばしりが

大小のシミを作っていた。

風呂場からは愉しげな声が漏れ聞こえてきた。

「もう無理だよぉ」

アズサがカズオのふにゃふにゃにイタズラでもしているのだろう。




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