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溺愛契約
第4章 ライバル登場
今野さんは、諦めたのか唇を放すと、泣いていた。

「もう、感じないの?私がキスしているのに。」

「うん。もう何とも思わない。」

「前は、私のキスが好きだって、言ってくれたじゃない!」

この二人、忙しくて会えなくて、別れたんだよね。

もしかして、伸樹君も後悔している?

私は胸を押さえた。

何だか二人の気持ちを考えると、切なくなってきた。

「私、諦めないから。」

そう言って今野さんは、玄関を開けて走って行った。


「追いかけて。」

「香美さん。」

一向に動かない伸樹君が、冷たい人に見えた。

「まだ、好きなんでしょ?今野さんの事。」

「えっ……」

「だったら、今追いかけないとダメだよ。」
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