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先生の言いなり
第9章 - Ep.8 ヤクメ -
先生と水族館デートをした翌日の朝。ベッドのサイドテーブルに置かれた小さな箱。中には買ってくれたアクセサリーが入っている。いつ見てもニヤケてしまう。

今日は日曜日。特にやることもないしななんてスマホを見ながらベッドに寝転がる。画面を見ていれば美冬からのLINEが届きハッとして起き上がる。

課題。
忘れてた…。
いつもは課された当日には終わらせていたが、先生とのお出掛けの前日ということもありノータッチ。やらなきゃ。
スクバを漁りクリアファイルと筆箱出す。B5サイズのプリントを出せばそれと向き合いシャーペンを走らせる。ふと手が止まった時スマホが震える音がして手に取れば先生から電話。
横にスライドをして電話に出るも背筋が伸びてしまう。

『突然電話してすまんな。俺だけど。今時間大丈夫だったか?』

「は、はい!」

『ちょっと実験台になって欲しい案件があってなー。可愛いペットちゃんにしか頼めないことだから来てくれると嬉しいんだが』

先生の言葉に電話越しではあるも首を傾げる。

「実験台?」

『そうそう、詳しいことは来てからな。来れるか?』

「えっと…」

ちらりと課題に視線を送る。行きたい。でも課題…。
私の頭の中で小さな葛藤が始まる。
手をつけた感じあと15分もあれば終わりそう。その後着替えてメイクして…なんて時間を逆算する。

「分かりました。あの、30分程時間下さい。また家出る時と先生のおうちの近くでLINEします」

『了解、よろしく〜』

プツンと電話が切れる。一体なんだと言うのか。
実験…とは?
スマホの時計を見れば時刻は11時30分
12時には家を出れるはず。
自分に喝を入れるため両頬をペチンと叩けば目の前の課題にシャープペンシルを走らせる。
15分、時間ジャストで課題を終わらせれば軽くシャワーを浴び着替え薄くではあるけれど化粧をして12時。

「ちょっと出かけてくる!」

まだ寝てるであろう母に告げる様にそんな言葉を残し家を出た。

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