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ひまわりの花束
第28章 自分の気持ち
遅い時間の電車なのに、混雑していて、隣の人と肩が触れてしまうほどだった。

「ちーちゃんおいでよ」

そう言ってドアの近くで周りの人から私を遠ざけるように、腰に手を回してくるそうさん。

そんなにしなくてもと思ったけれど、そうさんに寄りかかるように身体を預けると、そうさんの体温が伝わって来るようで、電車にゆられ、何だか安心する。

そうさんはなにも言わずにニコニコと見守ってくれているようで、目が合うと嬉しそうに抱きしめて来る。

いつもの駅で電車を降りてそうさんの部屋に向かう。

途中のコンビニへ入って行き、飲み物の棚の前で立ち止まる。

「ちーちゃん何飲む?」

「お水が良いです。少し飲み過ぎました」

「大丈夫?」

「大丈夫じゃないかもしれません」

「いいよ、看病してあげるよ」

「そこまで酔ってませんよ」

笑いながらレジを済ませて、お店の外に出ると風が心地良い。

何処かの植え込みで秋の虫が鳴いている。
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