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貴方を諦めます
第13章 彼の想い
涼ちゃんは変わった気がする。


今までは私の事に興味無さそうだったのに、家族のことや仕事のことを聞いてくる。


だから私も「涼ちゃんは?」と聞かれたことと同じことを聞き返した。


初めて知ることが多くて友達ができたみたいな感覚だった。


涼ちゃんはシングルファザーで育ったらしい。お父さんとお兄さんと3人家族。


お母さんは?なんて聞けなかった。なんだか触れてはいけないことに思えたから。

凄く気になったけど…



でも、この事を聞くために私に会いに来てくれたの?


なんか意外…。



ドリンクも飲み終えて、スマホを見るとゆっくりできる時間は後10分くらいしか無かった。


美紅もホームでもう待ってるかもしれない。



「涼ちゃん、そろそろ私行かなきゃ。また来週ね」


席を立って飲み終わったカップを捨てる。





そしてお店から出ると────



涼ちゃんは私の手を取って歩き出した。
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