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ターゲットはシニア
第4章 その3
「マキさん?中野です」

 おとなしい風貌の痩せた男だったわ。
「マキです。よろしくおねがいします」

「では早速ですけど、付いてきてください」

 私は中野に導かれ、男の家に徒歩で向かった。
 まだかしら?と思った頃、

「あ、見えてきました」と中野が指さしたのは、下町の工場のような造りの建物だった。その両隣もまた似たような建物なの。

「ここに住んでらっしゃるんですか?」

「ええ。奥が住居になってましてね」
 中野は振り返りもしないで、そう答えたわ。
 私は何か嫌な予感がしたけれど、ここで騒いでも仕方がないか、と覚悟を決めた。

 大きな入り口の戸を引くと、金属部品を作る工場なのか、大きな鉄の機械が中央に鎮座していた。
 中野の後について通路から奥へ。靴を抜いで上がり框をあがると、そこからが住居のようだ。

 汚いとこね・・・そう思いながら中に進んでいくと、
「連れてきたよ」

 え?

 居間には三人の、年齢もばらばらの男たちが陰湿な顔をしてテレビを見ていた。 



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