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狂愛の巣窟 〜crossing of love〜
第10章 【狂愛の巣窟〜ラスト・シーン〜】





休みの日が来るまで、ずっと家に居た。
誰の誘いも乗らなかった。
自ら呼び出すこともない。
家の隅から隅まで掃除して本来の専業主婦を全うしてる。




寝室の窓から見えるサボテンも見て見ぬふりをした。
メッセージも未読のまま返していません。
誰とも会わない気でいました。
どこかでリセットしなければ。
初めて、セックスに興味が薄れた気がします。
しなくても大丈夫な自分が信じられないほど。
勿論、1人ででもしません。




「十和子…?待ってなくて良かったのに」




日付けが変わる頃に帰宅した亨さんの帰りを待ってしまう。




「おかえりなさい、顔見て言いたかったから……」




言いながら瞼が熱くなる。
声を震わす私を優しく抱き締めてくれる腕の中で込み上げてしまった。
泣くつもりなんてなかったの。




「汗臭いけどごめんね」




「ううん……大丈夫」




どんな匂いでも亨さんだと落ち着く。
寧ろ、汗臭くて良かった。
浮気……ではないと思うから。
ちゃんと、疲れてるわよね?
顔を上げたら少しやつれた顔がニッコリ笑うから私からキスをした。




どうして?拒まないで。
「綺麗にしてくるから」ってそんなの待ってられない。
キスするだけで硬くなるのに気付いた。
腰を引いて「シャワー浴びさせて?」と距離を保つ。




まただ………また一線引いてきた。
いつもなら、こんなことしなかった。
すぐにでも脱がされて所構わず繋がってきたのに。
何もなければ結構溜まってるはず。
出したくないの…?
何考えてるの…?
怖いから、抱いてよ。
今すぐ。




もう、亨さんが欲しくて欲しくて堪らないの。
どんなことでもするから。
好きにして良いから挿れてよ。
玩具にして良いから。




シャワーが終わる頃にはベッドに入って壁側向いて横になっていた。
まだ寝ていないってわかってるくせに触れてこない。
髪にキスを落として寝息が聞こえてくる。




もう終わった………………




そう思いました。
涙が止め処なく溢れてきます。
静かに泣くことも出来ずに、思わず寝室を飛び出した。
ひっそりトイレで泣いたなんて、誰が信じてくれるかしら。
私が…?抱いてもらえなくて…?








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