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神戸国際投資顧問会社秘話~”オフィスメイド”というご奉仕の形
第2章 オフィスメイド 神崎 愛実(めぐみ)

 伊集院が、 「わざわざすまなかったね。どうぞ入って。」 と言いながら、立ち上がるのを見て、愛実は女将と一緒に座敷に入り、座卓の脇に控えた。伊集院が床の間を背に座ると、女将は、手馴れた仕草で、小ぶりの江戸切子の茶碗2つに麦茶を入れ、一つを伊集院の前に、もう一つをその向かいに出してから、その席に座布団を置いて退室した。

 伊集院が、腕を伸ばして手のひらで座布団を指し、 「神崎さんは、お名前は愛実ちゃんだったね。こちらに来てお茶をどうぞ。」 と、優しい口調で勧めた。愛実が、座布団を脇にずらして畳に正座しようとすると、 「遠慮しないで、そのまま座りなさい。若いのに、そんな作法をどこで習ったのかな。」 と、感心したように言うと、目を細めて微笑み、お茶を口にした。
 
 愛実は、「失礼します。」と言って、伊集院に対面して座り、一礼して両手でお茶をいただいてから、切羽詰ったような口調で話し始めた。
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