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北の軍服を着た天使
第2章 Episode 2


結局、猛ダッシュで仕事を終わらせた私は17時の定時ピッタリで職場を出ると、型落ちのアウディに乗り込み、ナビに李さんから貰った名刺の住所を入れた。バッグの中から李さんが忘れていったメガネケースを出して、助手席に置き、シートベルトを締めてアクセルを踏む。
ナビ上で大体15分かかると表示されてるって事は……時間帯的に多少の渋滞に引っかかる事も踏まえて実質、今から20分から25分後位に事務所に着くだろう。

李さんが帰る前に気付いておけば、私はこのままスーパーに直行して、さっさと家に帰って……ビール飲みながら半額の惣菜食べて、ネットフリックス見て、と幸せな時間を過ごせただろうに。


はあ、と小さくため息をついてから、さっそく一発目の信号に引っかかったため、窓を開けてからタバコに火を付けた。

ラジオでは、北朝鮮のミサイルについてのニュースが読み上げられている。


「北朝鮮、かあ。」


───日本では、北朝鮮と云うと社長みたいにミサイルばっかり撃つ変わった国だ、なんていう一言で片付けられがちだけど…実際は人も温かいしご飯も美味しいし、結構良い所だった。

そりゃあ、確かに直ぐに銃を取り出すし、権力者には絶対っていうキツイ上下関係は❝生きにくい❞の一言かもしれない。

でも国民達は…少なからず私が見た平壌に住む人々は、みんな小綺麗にして女友達と楽しそうに町を歩いていたし、お洒落をしている仲良さそうな若夫婦だって見た。

味は薄いし、食べる時にゴム手袋を付けないとダメだけど、一応ハンバーガー屋さんだってある。ホテルにはボウリング場だってあった。


政府がミサイルを撃っている側面で、国民達はみんな日本とそんなに変わりのない毎日を送っているのだ。例えほんの少しでも、そういった所を報道してみたら、日本国内の世論も少しは変わるのかなと、思ったりもしてみる。


「ま、それでも結局、国民の血税でミサイル作ってたら一緒なんだけどね。」

と短くなったタバコを潰しながら、独り言のようにそう呟いた。


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