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第2章 Episode 2

───8月25日。

取引についての会議から10日経った今日、正式にウーファ株式会社から取引願いの電話を頂いた。初回注文としては俄に信じがたいアルファード2021年式のエグゼクティブラインを5台とランドクルーザーZXを10台。

社長も「お相手は中々の車好きだな」と嬉しそうだった。確かにこの台数をこの車種で…となるとそれだけで相手の支払う金額は1億近い。

一括でこんなに注文が入る事は、そんなに無いため会社全体の士気が上がった感じがする。勿論、仕入れ代金もある訳だから関税分10％と手数料くらいの利益が関の山だろうが動く金額が大きければ大きいほど責任感とか遣り甲斐も大きくなるものだ。ハコスカ一台売って3000万の時も、私達は相当に喜んだし。それが1億近い金額となると──喜ぶ以外の方法が無い。


「さすが中国の金持ちは金の使い方が違うな」

「でも、最初にそれだけ使っても絶対に利益が出ると読んでるから使えるんですもんね。」

「やろうなー。…もしかしたら、もう既に買手が決まってるんかもしらん。お前達、徹底的に電話して早く用意したれよ！」

「はい！」



そう返事をしてから、私達はコーヒー片手にパソコンに張り付いた。今からする事と言えば、業者専用の競りを見て、目についた希望車種を徹底的に調べ上げたり、入札を入れたりする事。

多分、社長の車屋さん同士の繋がりでアルファードは簡単にゲット出来るだろうから、私はランドクルーザーを調べた方が良いだろう。