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濡花 ~義理の父親に堕とされていく若妻~
第34章 花怜と涼華 ~本章~
中居が冷酒とお猪口を持ってくると、花怜が硝子の徳利に手を伸ばして卓司へとお酌をする。

「涼華……」

徳利を掲げると…「ありがと…」と無愛想にお猪口を持ち上げた。

「お姉ちゃんも飲むんでしょ……」

「うん……」

花怜はアルコールの助けでも借りないとこの二人相手に立ち回れないと感じていた。
話の流れでこの後部屋で起こることはとても正気で対処できることではなかった。

ただ一つ今はっきりしていることがある。
どんなに過去の自分が妹に対して浅はかな言動をしたとしても、その後ろめたさがあっても…

【お義父さんを取られたくない……】

涼華の言う通り、夫を裏切って義父と関係を持っている。
黒木との約束を思えば浮気に浮気を重ねている。

【涼華よりも罪深い……きっと私は強欲なんだ……】

花怜は両手でお猪口に手を添えると、くっと飲み干した。

「やっぱり…この旅館のお料理すごく美味しいですね……」

この旅館で義父と過ごすのは二度目なんだとそれとなくアピールした。
花怜なりの宣戦布告だった。

その後の食事は言葉少なに淡々と進んだ。

卓司は目の前の姉妹を見ながらこの後をどう進めるのかとテーブルの下で肉棒を硬くしていた。

涼華は精神的に優位に立っているのだと自覚しながら、花怜の牽制など気にする素振りもなく料理を楽しんだ。

花怜は時折、義父に酌をしながら普段以上にお酒を口にしていた。
必死にざわつく気持ちを落ち着かせるように…。

「ご馳走さまでした……これ以上食べたら動けなくなっちゃう……」

涼華が手を併せる。

「私も…ご馳走さまでした……お義父さんは飲み足りないんじゃないですか?……」

花怜もそう言って箸を置いた。

「そうだな…酒は部屋でも飲めるからね……戻ろうか……」

花怜はいよいよなんだと緊張してしまう。

「ねぇ、お義父さん…仲直りってわけじゃないけど…頑張ったんだから私と最初にしてくれるでしょ?……」

涼華が義父の腕に腕を絡めて歩き出した。
花怜は二人の後をついていくことしかできなかった。

【これも全部お義父さんの企てなの?……私と涼華を侍らせることが目的だったの……】

義父が振り向いた。

「花怜はそれでいいのかい?…」

「お義父さんが決めてください……」

「さて…どうするかな…」

卓司の手はしっかりと涼華の尻を撫で回していた。
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