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恍惚の日々
第4章 誓約書
着ぐるみのファスナーを開けて、桐谷はバスルームから出て行った。

「ゆっくり入りなさい」って。

また、不完全燃焼のかなえ。


チャポン……

湯舟に浸かり、ボーッとしていた。
今は、自分の手でも、躯に触れたら欲情しそうで、触ることもままならない。

「なんでこんなことになっちゃったんだろう…」
一人、バスルームで呟くかなえ。
旅行をしてる私。
いいように弄ばれてる私。
欲情して、お漏らしなんかしちゃった私。
逃げられるのに、逃げない私。
拒めるのに拒まない私………


桐谷淳之介が好き?

ほんとに?

愛されたいの?


たぶん、すべてYES。

だから、こんな破廉恥なこともしてしまう。
でも、かするだけ。
たった一度、濃厚なキスをくれただけ。
もっと!って思う間もなく離れる手。



あまりにも焦れったくて、躯だけ疼きまくって、悶えて、濡れそぼらせて……

あー、淳之介さまが欲しい!
肌を合わせたい!

言うこときくからぁ……

なんでもするからぁ……



欲しい!

欲しい!!

欲しい!!!





かなえの頭の中が桐谷でいっぱいになった。



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