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第10章 歪み

その後、微妙な空気が流れ……逢里と要はギクシャクしたまま、前の様に仲良く過ごす事はなかった。


要は、引きこもるほど傷つけてしまったと反省して、優しく大切にしようと思っていたが、逢里に見上げられるとかける言葉も見つからなくなってしまう。


逢里もまた、要の様子を伺う様にして見るから、要が気にして避ける様な態度を、そのまま『避けられてる』と受け止め、お互いが悪い方へ解釈し合うのだ。


それに気づいていた美沙や誠と淳子も、触れはせずにはいるものの、様子を伺う等に見ていた。


もちろん、3人の関係は相変わらず継続していて、美沙と逢里の関係は修復しないまま、『親離れ』と皆から思われ、疑われる事はなかった。


だがそうなれば、逢里はほとんど一人で過ごす事になり、家での口数も少なくなれば、元々学校の友達もいないに等しいので、1日喋らないという事もあったりする状態にもなっていた。