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羊にご用心!?
第4章 ~お嬢様、朝食の時間です~


 腹を支えるように手を回し、少し身体を傾けワゴンに置いた一口サイズのスコーンを掴む。

「はい、どうぞ?」

「よけい恥ずかしいじゃないっ……んぐっ」

「可愛い……お嬢様」

 口を開いた隙間にアルはスコーンを掴んだ指をリリムの口の中に入れた。

 無意識にそのまま唇を閉じアルの指ごと唇で摘んでしまう。

「美味しいですか?」

 
 指を抜いたアルはぺろっとその親指と薬指を舐め、そう言った。

 甘酸っぱいジャムの香りと味が口腔内に広がる、が、正直味はよく分からなかった。

 んぐっ、と息を飲み込むようにそのスコーンを喉に通す。


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