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羊にご用心!?
第3章 ~お嬢様、湯浴みの時間です~
そうある事が自然のように、首に回されたアルの腕に引き寄せられ、もうひとつの手はリリムの顎をすくいふたりの唇はしっとりと重なりあう。
────な、何……?
その一瞬の所作があまりに優雅で、自分の身に何が起きたのかリリムは気づくのにしばし時を必要とした。
それに気づいたのは、彼の唇が離れた時だった。
「これでおあいこですね、お嬢様」
ニコリと微笑むアルは、少年のイタズラのように幼さを感じる。
しかし、彼の動作からは少年を思わせない。
その不思議な魅力と言うべきなのか、目と鼻の先にいる人物が誰なのかわからなくなる。
少なくとも、リリムの知る犬コロではない。