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鬼の哭く沼
第7章 花は綻ぶ
「くっ…快楽も、痛みも、すべてお前に刻みたい…。お前は俺のものだ…俺、だけのっ」
ずん、と奥へと突き立てられる熱の塊。大きくしなった香夜の背を抱いて、須王は腰の律動を早めた。
「俺を見ろ、香夜…」
「ああっ、あ…だめ、ぁ…ああ!」
須王の顎から滴る汗が、香夜の胸に落ちる。腰骨に響く程強く穿たれ、脳天へ電流のような衝撃が走った。痛みの脇から、じわりと膨れ上がり香夜の思考を揺らす何かが次第にその姿を見せ始める。
「…香、夜」
「ん…あ、…」
名前を呼ばれ、涙に濡れた目を薄く開くと間近に須王の目があった。欲情に塗りつぶされた眼差しのその奥、確かに香夜を求める色を見て香夜の中で膨れ続けた何かが弾けた。
「香夜、愛している」
「んっ…!あぅ、ん…すお…あっ、ああーっ!!」
刹那、一際強く再奥を穿つ灼熱から吐き出された熱に香夜の思考は真っ白に濁った。