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3度目にして最愛
第3章 3度目にして最愛を知る
だがそれは元々インドア派の水城が、旅行が趣味のアクティブな東条と付き合い、プラトニックな関係を2年築いた後、青の洞窟が有名処のカプリ島の海の絶景を満喫出来るレストランで彼から告白を受けた事で判明する事となった。
「なぁ水城。これから先、俺と一緒に生きていかないか?」
美しいパノラマが広がるテラス席で、まるで将来を誓うような告白を受けたが、水城はすぐさま返答が出来なかった。
イエスかノーかの簡単な2択でまごつくのは、彼女が終わりのある恋愛を迎えた事しかないからだ。
長い沈黙の後に「生きていきたい気持ちもあるが、自分はセックスが出来ないから、愛想を尽かされるのが怖い。」という曖昧でしかない返答が彼女の正直な気持ちで、それを思いのままに彼女は東条に伝えるしかなかった。
「お前の今の気持ちは、俺のプロポーズを天秤にかけた結果なのか?」
水城はすぐさま横に首を振った。
「なら、きちんと天秤にかけてみるんだな。それで恐怖が勝るって出たんなら俺はお前の信頼に値しない男だったって事だ。そんな奴はお前の伴侶には相応しくねえ。他の男と結婚しろ。」