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無垢な彼女
第4章 悪魔な彼女


淳はうまい事小山の親から許可を得てくれて、俺達は土曜日に北原さんの実家に出発した。

駅に到着すると、都心から少し外れたこの場所の周りは緑がいっぱいだった。


「わぁ!良いところだねー!」

「ここからバスだっけ?さっき電車でバスの時刻表調べたけどここ出てこなかったんだよな」

「あ、あそこバス停じゃない?」


荷物を持ってバス停に行って時刻表を見て驚いた。

本数少なっ!

「…バス二時間後か」

周りに特に何もないこの場所で二時間。
まだ暑いこの時期クーラーも何もない中キツいよな…


「あの~失礼ですが、武山様でしょうか?」

「は、はい!?武山ですけど…」


突然、見たことのないおじさんに名前を呼ばれて驚いた。そのおじさんに握手をされる。

「遠いところからわざわざありがとうございます!息子がいつもお世話になっております!北原の父です」

「北原さんの!?いえ!こちらが北原さんにお世話になってるんです!…って!わざわざ来てくださったんですか!?」

「当然でございます、社長さんのご子息だと伺ってますので…どうぞこちらの車へ」

北原さんのお父さんの車にみんなで乗り込む。

助かったー!北原さん、こんな気遣ってくれたなんて…

「武山君すごいー!お父さん社長さんなんだねー、お家大きかったもんね!」

「い、いや…俺の手柄じゃないからさ…」

未だにこんな時どんな顔をしていいかわからない…。



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