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カクテル好きの男たち
第10章 電気工事の男

最近、なんだかエアコンの調子が悪い

秀一に相談したところ
「そろそろ買い替えの時期じゃないか?
かなり年代物のエアコンだし
もう寿命かもしれないよ」

「そうかもしれないけれど
なんとかこの夏だけでも乗り越えたいわ」

「応急処置的に修理してみるか」

パソコンを開いて
電気工事の店をいろいろと尋ねてみたが
この暑さでどこも忙しいらしく
ひと月先まで予約が一杯だった。

夏の間だけでも店を閉めるか?

秀一は、あの店が家計を支えている訳ではないので
気軽にそんなことを言う。

珠代は反対だったけれど
蒸し風呂のようなお店に客も来る筈はない。

ここは秀一の言うように
しばらく休業するしかないのかと
珠代は半ば諦めかけていた。

そんな折、
「営業時間外なので割り増しになりますけど
それで良ければ
一度エアコンを見て差し上げますよ」という
奇特な工務店が現れた。

クラブのママをしている梓が
知り合いに頼んでくれたのだ。

ありがたいわ…
ぜひ、お願いします

珠代は修理の時間にあわせて
お店へと急いだ。

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