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カクテル好きの男たち
第4章 運転免許返納の男

『秀一さんが、ここまで酔いつぶれるなんて…』

必死の思いで秀一を布団に寝かせ、
パジャマに着替えさせようとズボンを脱がした。

「あら?」

トランクスが前後ろになっている!

「え?どうして?」

あなた…梓ママと…寝たの?…

無理やりに起こして真相を問いただしたかったけど
自分だってお店で白バイ候補生の男と
甘い時間を過ごしたのだ。
秀一を責めるわけにはいかない

体は誰かを抱いても
心は私のモノだからね

そう言って珠代は爆睡している秀一にキスをした。


昼過ぎに秀一が起き出してきた。

「あなた、おはよう…
とは言っても、もうお昼過ぎよ」

二日酔いで食欲はないだろうけれど
お腹に優しいもので胃を満たしてあげようと
珠代はお粥をこしらえてあげた。

ズズズ…
二人はテーブルに向かい合って
無言で粥を喉に流し込んだ。

どちらも昨夜の事を問いただしたかったけど
あえてそれを胸の内にしまいこんだ。


「今夜も…店を開けるのかい?」

出来れば、あの店を
廃業にしたいと秀一は思っていた。

「ええ、せっかく特訓したんですもの
丁度いい暇潰しになるもの」

「たまにはフラリと顔を出してもいいか?
ほら、俺も暇だし
遊んでいるとボケてしまいそうだ」

「ええ、いいわよ
でも、極力一人で頑張らせて頂戴ね」

そう言われると何も言い返せなかった。

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