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カクテル好きの男たち
第1章 女性バーテンダー誕生

翌日から秀一による猛特訓が始まった。

何度も何度もダメ出しをされてしまう。

「ダメだ!ダメだ!!
ホームパーティでもてなすんじゃないぞ
お客様にお金を頂戴して、
その対価として召し上がってもらうんだ!」

夜、お布団の中では甘えさせてくれる秀一だが
カクテルに関しては人一倍厳しかった。

それでもなんとか1ヶ月で
合格点をもらえるまでに仕上げることが出来た。


「珠代、よく頑張ったなあ」

さあ、こっちにおいでと
秀一は掛け布団を捲って
一つの布団で寝ようよと誘ってきた。

「言っておくけど…
過剰なサービスは出来ませんからね」

特訓に継ぐ特訓だったので
腰はパンパンだし、肩も腕も筋肉が張っていた。

「わかってるよ
バーテンダーって見た目よりハードな仕事だろ?」

「本当ね、あんなシャカシャカ振るぐらい
簡単に出来ると思ったわ」

「振るだけなら誰にでも出来るさ
ただ、絶妙に混ぜないと味がイマイチなんだよ」

どれ、今夜は労をねぎらって
マッサージをしてやろう。

そう言って珠代をうつ伏せにさせると
腰を揉み始めた。

「右手に力が入らないから
ぜんぜん効かないかもしれないけどね」

あなた、あんまり無理しちゃダメよ~

そう言って断ろうかと思ったが
右手が麻痺しているとはいえ
あまり痛くない揉みかたが妙に心地よかった。






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