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第1章 森探検～天狗との遭遇まで

８月は、香織にとって小学生最後の夏休みとなる。そして人生最大の悲劇にもなってしまった。

父の実家である田舎に母と二人で休養に訪れた。実家には誰も住んでおらず、母は別荘として避暑に活用している。

「香織は、パパの実家に来るの久しぶりね」

「うんっちょっと探検してきてもいい？」

田舎は海沿い且つ山森に囲まれた自然豊かな環境で都会暮らしの香織とって外を散策するのは探検に向かう気持ちにさせた。

「いいわよ、でも、裏の山だけはダメよ」

「なんで？」

「鬼だか何だかが、でるらしいわよ～」

母自身も半信半疑だが、山に林に川に慣れない香織にとって危険であることに変わりはなく注意喚起をしたつもりだったのだが…

「は～い☆」（鬼だか何だかなんて面白そう//д//）

香織は、颯爽と裏の山へと向かった。

到着した裏山は、真夏の日差しを緩和する樹木が生茂って木陰があり、小鳥のさえずりを聞いた香織は、歓迎されたのでは？と感じた。