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第1章 森探検～天狗との遭遇まで

少し進むと不気味な小屋を見つけた。形は小規模な神社である。

「なんだろ？もしやヤマンバの家…」

不気味な雰囲気も真夏の太陽の明るい日差しが香織の不安さを掻き消してしまった。

扉から容易に中を覗くことができた。
部屋には稲藁(ｲﾈﾜﾗ)が敷いてあり、建物全体に古風な時代を感じさせる。

「寝るとこがある、誰か住んでるのかな…」

扉を開けて香織は中に入る。土足なのが若干、違和感を感じさせた。

稲藁は、あたかも誰かが横になれるように敷いてある。

「旨そうな生娘だな！」

低い声が聞こえて、香織はビクッと驚いた。

「誰!?」

振り向くと、やや顔の赤く大きな鼻のおじさんが立っていた。

「わぁ！おじさんの家なの！？」

香織はヘナっと膝をつく。

「俺は、天狗だよ」

この小屋は、天狗の棲み処なのだ。
天狗は身長160㎝弱だが、立派な翼と厚い筋肉、ギュッと締まったウエストは人間男性より、かなりスタイルはいいものの、髭面である。

香織も145㎝38㎏だが、恐怖はそこまで感じなかった。
まだ空想上の生き物を信じる年頃で、目の前の天狗が絵本で見た、そのままの姿であったことから理解できた。

「立てなくなるなるまで犯しつくしてくれるわっ」

そう言うと天狗は香織を稲藁の敷布団に乱暴にも突き飛ばした。