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幼なじみのフヒト君
第1章 フヒト

「不日人、どうしたの?」

いつもと違う様子の不日人に少し不安になる。

「うん。舞ちゃん。僕の事…嫌い?」

びっくりした。
俯いて弱気な様子の不日人から思わぬ言葉が出てきた。

「え?な、なんで?」

正直、なんでこんな話になっているのかが分からない。

混乱しながら、真相を聞いてみる。

「うん。今日、クラスの皆川から言われた。」

不日人の話を要約すると、皆川は不日人に毎日付き合わされてきっと私が嫌がっている。
と言ったらしいのだ。

「はぁ…。んなわけないじゃない。嫌なら断るわよ。だって、今までもそうだったでしょ?」

わたしにも友達付き合いがある。
そういうときは、不日人に付き合っていない。

ちゃんと、断っているのだ。

「そう…?無理してない?」

「うん。」

おずおずと顔を上げる不日人の頭を撫でながら笑顔で返事を返す。

不日人はホッとしたように小さく息を吐いた。

「僕は舞ちゃんが好きだから、嫌われてると言われてちょっと泣きそうだったんだ。」

「そっか…。わたしも不日人の事、好きだよ。」

わたしは、この時、子供の“好き”だと思っていた。

だが、それは大きな間違いだとこのあと気づかされる。

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