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混沌の館
第16章 遠距離恋愛
 部屋は8階、エレベータが到着すると私たちはキョロキョロしながら部屋を探す。これからのことを考えると、私は下半身に血が集中することを抑えきれなかった。


「わあ~、凄い眺めが良いね~」

 角部屋の為、窓が多く開放感があった。遠くに東京タワーが見える。私は、窓辺に手をかけはしゃいでいる千夏を後ろから抱きしめた。


「あっ」

 千夏は小さく声を漏らしたが、私に身を委ねていた。


 千夏をくるりと反転させ、そのまま唇を重ねた。柔らかい舌の感触が伝わってくる。心臓の鼓動が店舗を早めた。


 私たちにはあまり時間はない。ここに居られるのも3時間がいいところだろう。できれば初めての相手とは焦りたくないのだが、私は先を急いだ。

 唇を吸いながら、千夏の背中のホックを外し、ファスナーも降ろす。


「あっ、狸さん・・明るい、明る過ぎるよぅ」

 私は構わずにそのままブラのホックも外した。


「お、お願い・・カーテンを閉めて」

「ごめんごめん。分かった。こっちを閉めて。僕はあっちを閉めてくるから」

 カーテンを閉めると部屋は闇に包まれた。外から漏れる微かな日の明かりだけが辛うじて私たちの視界を保った。


 私は、バッグに忍ばせていた避妊具を取出し、ベッドサイドのテーブルに置き、シャツとズボンを脱ぎ捨てた。千夏もワンピースとブラを脱ぎ、ベッドにもぐり込んだ。


私も後を追い、ベッドの中で再び抱き合い、唇を吸いあった。





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