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想い人
第6章 【続】第一章・同級生の想い人
「空いてる! 私の特等席‼︎ 」

そう言って、私はストンと腰を下ろしたのは……透也の膝の上!
私の特等席でしょ⁉︎


ほら、作原さんも露木さんも、片山さんも固まってる。

「み…美空……」

あれ? 透也も驚いた顔して固まってる。

「……………」

ザワザワしていた宴会場内もシンっと静まり返り、私には痛い視線を送られていた。


「……誰この子……中学生?……透也の妹?」

失礼極まりない言葉が、私の左側から掛けられる。


「中学生な訳ないでしょ‼︎ こう見えて19です‼︎ 」

「19……未成年じゃない。ここはお酒を飲む場よ? 場違い」

あー言えばこー言う。
片山さんに口では勝てそうにない。

私は唇を噛み、片山さんを睨んだ。


「美空…とりあえず……降りて?」

困ったように笑う透也が、膝の上に座る私をヒョイっと抱き上げる。

「ごめんね、ちょっと詰めて」

透也が作原さんと露木さんに声を掛け、私は透也の膝の上から、透也の左横へと降ろされてしまった。


「ふふっ…子供みたいな子ね。透也によく懐いてるみたい」

片山さんは、薄くて形のいい唇を片手で押さえながら、二重の切れ長な目を細めて私を見て嘲笑した。


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