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想い人
第8章 【続】第三章・勘違いの想い人
ゆっくりと、美空をベッドへと寝かせる。

眉間に深く皺を寄せ、目をキツく閉じた美空は、時折うーうーと唸り声を上げては苦しんでいた。


「ホントにバカな子だよ、全く…」

「うー…うるさぁい……」


美空の母親が、美空を詰りながらアイスノンやら冷えピタを当てていく。

母親に言い返す程に、元気が出たのだと思いたい……。


「美空……」

「あ……」

思わず零れた俺の声に、美空とその母親の視線がこちらへ向けられた。


「ごめんね、仕事中なのに」

美空の母親が困ったように笑う。

「美空の体調も、多分1〜2日で治まるから」

だから仕事に戻って…と美空の母親の言葉に、美空もコクコクと頷いていた。


………つわりってそんなもん?


久我さんの奥さんはもっと長い間辛そうだったって聞いたけど……。

もしかして、俺が知らない所で、美空は1人でつわりと戦ってたのか⁈

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